現場思考力ゼミ ―中学入試を使って現場思考力を培う―

現場思考力とは、与えられた条件や自分の持っている常識、知識を組み合わせて、何らかの推論や結論を出す力のことをいいます。中学受験の社会入試問題を使って、現場思考力の養成をはかることを目的に、2014年に双方向性を持ったブログとして運営していました。生徒の答案を添削して公開するという取り組みでした。このブログではその問題と解説の一部を保存しています。

14栄光学園H18 問題(中学入試で培う現場思考力)

第14回は、栄光学園中の問題です。 

 

 ぼくが見た中で、いちばん印象に残っているのは長崎原爆資料館です。最後に、原爆に関係したことを書いて終わりにします。
 1941年に太平洋戦争がはじまり、長崎の造船所や工場でも盛んに軍艦や兵器が作られるようになりました。戦争が長引くと、人々の生活は大きく変化していきました。アメリカ軍の飛行機が爆弾を落として、全国の各地で多くの人々の生命がうばわれました。そんな中、1945年8月9日午前11時2分、長崎市の浦上に原子爆弾が投下されました。爆心地のあたりは一瞬のうちに町全体が破壊され、多くの人が亡くなりました。しかし、被害はこれだけでは終わりませんでした。原子爆弾はそれまでの爆弾とはちがう新型のものだったからです。長崎原爆資料館では、当時の悲惨なようすについて知ることができました。
 日本が無条件降伏をしたのは、長崎へ原爆が投下されてから1週問もたたない8月15日のことです。日本の敗戦後、戦争の反省を生かし、新しい憲法が生まれました。その前文の中には、二度と戦争を起こさないという平和への決意が記され、第9条には具体的にどうするのかが書いてあります。長崎でも毎年、原子爆弾が落とされた8月9日に、被爆者を追悼するとともに、核兵器の廃絶を世界に向けて訴える集会が開かれています。

 

 ぼくは、ここまで調べてみて、長崎は時代とともにいろいろな顔を持った町だと思いました。そして現在は、やはり原子爆弾を落とされた町として、世界に平和をアピールし続けているというイメージがぼくにはとても強いです。このような町があるのは大切なことだと思います。

 

下線部について、なぜ長崎に原子爆弾が投下されたのかを、栄一君が調べた長崎の町の特徴を参考にして答えなさい。

 

 

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