現場思考力ゼミ ―中学入試を使って現場思考力を培う―

現場思考力とは、与えられた条件や自分の持っている常識、知識を組み合わせて、何らかの推論や結論を出す力のことをいいます。中学受験の社会入試問題を使って、現場思考力の養成をはかることを目的に、2014年に双方向性を持ったブログとして運営していました。生徒の答案を添削して公開するという取り組みでした。このブログではその問題と解説の一部を保存しています。

07駒場東邦H24 解答解説(中学入試で培う現場思考力)

 

 デパート・スーパー・コンビニはどういうところに多い?

  

 デパート(百貨店)の売上高は20年前の3分の2まで売り上げが落ち込んでいます。アベノミクスの影響のあり、最近は増加傾向にあるそうですが、デパートやスーパーと比べるとコンビニは絶好調。売り上げが増加し続けています。

 

 コンビニは便利ですよね。たくさんお店がありますし、品ぞろえも悪くありません。飲み物や食べ物だけではなく、雑誌が売っていたり、中には野菜やお米、薬まで売っているところもあります。わざわざスーパーに行かなくてもよくなっているのです。また、デパートはスーパーと比べて値段は高そうなイメージがありますか? それとも安そうなイメージがありますか?

 

 おそらく「高そうなイメージ」と答える人が多いと思います。デパートには有名なブランドが入っていて、質が良い分値段も高いという傾向があります。しかし、服にしてもスーパーで売られていたり、もっと安く服を売る専門店があったりするので、そういったところで買う人が増えています。たとえば、「ユニクロ」。デパートに比べればかなり安い品物が多く置かれています。デフレで景気回復を実感できない中では、より安いものを買おうという傾向が強いのでしょう。

   

 さて、今回の問題。駅から近く数も少ない①がデパート、狭い道路沿いにもたくさんある②がコンビニ、大きな道路ぞいにある③がスーパーです。(2)を見ていきましょう。デパートとコンビニで売られている「衣料品」つまり服の違いを答える問題です。価格はもちろんコンビニの方が安いでしょう。種類となると、これはデパートの方が圧倒的に多い。コンビニだとワイシャツやネクタイ、下着など数が限られます。だって狭いスペースに食料品やら雑誌やらが置いてあるわけですからね。

  

 今度、デパートやスーパー、コンビニに行ったとき、どんな売り場になっているか、どんなものが売っているか見てくださいね。そういう経験は「常識」として中学受験にも出題されます。

 

解答例 

(1)①ア ②イ ③ウ

(2)①では価格が高いものも多く扱っており、種類も豊富だが、②は日常生活で必要になりやすい価格の安いものを主に扱っており、種類も限られている。