現場思考力ゼミ ―中学入試を使って現場思考力を培う―

現場思考力とは、与えられた条件や自分の持っている常識、知識を組み合わせて、何らかの推論や結論を出す力のことをいいます。中学受験の社会入試問題を使って、現場思考力の養成をはかることを目的に、2014年に双方向性を持ったブログとして運営していました。生徒の答案を添削して公開するという取り組みでした。このブログではその問題と解説の一部を保存しています。

09都立小石川H25 解答解説

外国人労働者を受け入れる?

 

これまで何度も話題となり、実現しなかった外国人労働者の大量受け入れ。しかし、団塊の世代が退職し、働く人が減少していることや、少子高齢化への対策として、いわゆる移民の大量受け入れが本格的に検討されているそうです。日本はすでに人口減少社会に入っています。合計特殊出生率は1.43ですので、人口を維持できる2.07からはほど遠い状態です。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0400T_U4A600C1000000/

http://resemom.jp/article/img/2014/06/05/18816/75996.html

 

人口の減少が経済や社会に与える影響は深刻であり、実際に地方ではその影響が大きく出ています(都市部に住んでいるとあまり感じないものですが)。

http://diamond.jp/category/s-nipponnomirai

 

まずは女性の社会進出とセットにして、女性の社会進出を助ける職種をまず開放するのではないかと思っていますが、いずれにせよ賛否両論あるテーマです。メリットとデメリットを考えてみてください。

 

さて、今回の問題。このような外国人労働者を受け入れる話をもとに書いていくこともできるでしょう。どのように日本を発展させていくのかが問われています、安価な労働力が増えること、日本の技術を世界に発信しやすくなるといった経済的な発展を書いてもいいでしょうし、中学入試ということを考えれば現実的な(経済的な)メリットばかりではなく、異文化が入ってくることによるメリットを書いてもいいと思います。もちろん、外国人労働者をテーマにしない記述も考えられるでしょう。外国人観光客が日本にやってくることによる日本の発展という視点で書くこともできます。

 

【解答】

異なる文化や習慣を持つ外国の人々を受け入れることによって、従来の日本にはなかった発想や考え方を社会に取り入れることができる。また、ものづくりの技術の高さや都市の治安の良さなどの、日本の良いところを世界にアピールすることができる。その結果、よりグローバリゼーションの進んだ社会へと発展していくことができると考える。(156字)